進化を続ける
"フィッシングクルーザー"
ヤンマーEXシリーズ

新世代を担うフィッシングクルーザーとして人々を魅了するEXシリーズ。
乗り心地と航走の安定感を実現した
EXシリーズの魅力を
ベテラン記者にたっぷりと
語っていただきました。
とくとご覧ください!


ヤンマーのプレジャーボート部門では、全長23フィート(約7メートル)から全長46フィート(約14メートル)まで、大小さまざまなボートをラインナップしています。

“日本の海”での使い勝手と機能にこだわったフィッシングボートが、全国各地のたくさんのオーナーに愛され続けています。


そのなかでも主力シリーズといえるのが「EXシリーズ」です。

ディーゼルエンジンの1軸インボード仕様が基本で、特に流し釣りや掛かり釣りといった日本ならではのスタイルの釣りを楽しむユーザーから熱い信頼を得ています。

漁船も幅広く手掛けるヤンマーだけに、プロフェッショナルの現場で鍛えられた機能性や使い勝手が実現したシリーズです。


そのEXシリーズですが、近年デビューしたモデルには、これまでのモデルと比べて大きな変化が表れています。

コンセプトはズバリ、“フィッシングクルーザー”

まさに「新世代のEXシリーズ」といっていいでしょう。

新世代のEXシリーズ
【ここがポイント!】
釣り場に向かうまでの航行中の快適性を重視
キャビン内の居住性を高め、多様な目的で使える
幅広の現代的なスタイリングと航行性能を実現

これまでのフィッシングボートの概念や常識から脱却し、新しい視点からのモノづくりの結果として生まれたのが、新世代のEXシリーズです。

ここでは、EX38(HT & FB)、EX34(HT & FB)、EX30Bの3モデルについて紹介していくことにしましょう。

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新世代EXのフラッグシップ EX38 HT & FB



「EX38」は、まず最初にハードトップモデル(HT)が2015年にデビュー。
2019年春には、待望のフライブリッジモデル(FB)が発表されました。

新世代のEXシリーズの中ではフラッグシップにあたるモデルで、カジキなどのビッグゲーム、あるいは遠征釣行など、コアなボートアングラーの高い要求に応える一艇に仕上がっています。

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従来のEXシリーズと比べると、新しく開発された幅広の船体はインパクト大。
広い船内空間を確保することができ、釣り場に向かう途中はもちろん、船上でくつろぎの時間を過ごすなど、フィッシングボートの枠にとどまらない快適性が実現しています。

パイロットハウスの右舷側の対面式セティーは、テーブルを下げることでL字型シートに変更することも可能。
また、フォアキャビンは十分な長さのあるバース2本を備えており、中央のテーブルを下げてクッションを敷けば、さらにもう一人が横になれるだけのスペースが現れます。

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(EX38 パイロットハウス)

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(フォアキャビン)

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(対面式セティー)

もちろん、コクピットやウオークアラウンド、フォアデッキといった外回りのスペースも広く、深さも十分にあります。
ストレスを感じさせずフィッシングを楽しむことができ、安全面への配慮が感じられる部分です。

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(フォアデッキ)

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(アフトデッキ)

デザイン面の特徴といえば、ステムが直立した船首の形状も見逃せません。
見た目からシャープな印象を感じるだけでなく、実用的な意味でも、水船長が延びることで静止時や旋回性の安定性が高まるほか、ピッチング時の上下動が抑えられる効果を期待できます。

“乗って疲れない”ボートを、実際にぜひ体験していただきたいものです。

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(EX38の船型)

パワーユニットは、高出力と低燃費が自慢のヤンマー6CXBS-GT(495馬力)を搭載。
コンディションや搭載物にもよりますが、30ノットオーバーの走りを実現してくれるはずです。
エンジンルームの広さも特徴の一つで、空いているスペースには、発電機などを後から追加で載せることも容易でしょう。

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(6CXBS-GT:495馬力)

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(エンジンルーム)

なお、フライブリッジモデルの標準仕様は①ウインドシールドのみですが、

②レーダーアーチの追加、
③レーダーアーチ&ハードオーニングの追加、
④フロントウインドーを設置、レーダーアーチ&ハードオーニングの追加、
の3つのオプションが用意されています。

ユーザーのニーズに合わせて、さまざまな選択肢があるのはうれしいですね。

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(①ウインドシールド:標準仕様)

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(②レーダーアーチの追加)

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(③レーダーアーチ&ハードオーニング追加)

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(④フロントウインドーの設置、レーダーアーチ&ハードオーニング追加)

“フィッシングクルーザー”を標榜するEX38。フィッシングユースにとどまらず、クルージングなどいろいろな遊び方に対応する、高いユーザビリティーを備えた一艇です。

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フィッシングボートの未来が見える!
EX34 HT & FB



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「EX34」は2018年3月にフライブリッジモデル(FB)がデビューし、同年10月にはハードトップモデル(HT)が加わりました。

“フィッシングクルーザー”の先鞭を付けたEX33が、ユーザーからの高い評価を背景にEX33IIへとリファインされ、さらにもう一段進化を遂げたモデルがこのEX34だといえます。

全長や全幅のスペックは先代のEX33IIと変わりませんが、デザインは一新されました。
垂直近く立ち上がったハルは、スタイリッシュ。
喫水線がグッと延びたことで、安定性など実用面にも大きく貢献しています。

また、船体の一部の工法にはインヒュージョン方式を採用するなど(従来はハンドレイアップ方式)、ヤンマーが考える“これからのフィッシングボート”の姿を体現しているものです。

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(インフュージョン成型部)

ハードトップモデルとフライブリッジモデルの二つを用意しているのも、日本の海を知り尽くしたヤンマーならではの“こだわり”といえるかもしれません。

例えば、スパンカーを立てての流し釣りをするのであれば、ハードトップモデルのほうが断然使いやすいはず。

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一方、はるか彼方のトリヤマを探して魚影を追いかけるビッグゲームでは、フライブリッジの有用性は必然的に高まります。

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一言でボートフィッシングといっても、釣り方や魚種も千差万別で、ボートに求められる性能もさまざま。
そういった意味では、ユーザーの選択肢が増えることは歓迎すべきポイントです。

次世代への進化は、船内空間にも随所に見て取れます。
パイロットハウスに入って、まず感じるのが天井の高さ。
ちょうど中央あたりのエリアで、1.8メートルほどのヘッドクリアランスが確保されています。

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(EX34 パイロットハウス)

フィッシングボートでは後回しにされがちの「居住空間の快適性」という要素に対して、徹底的に考え抜かれただろうことが想像できます。

ドライバーズシート、回転式のナビシート、L字形シートに変更できる対面式シートと、船内には6人が同時に座ることが可能です。

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(ドライバーズシート)

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(回転式のナビシート)

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(L字形シート)

一方、外回りは、さまざまなスタイルに対応した「釣りしやすさ」が感じられるものです。
広々としたコクピットやウオークアラウンドは、釣果にも大きく影響してくることでしょう。

また、デッキから舷縁(ガンネル)までの高さ(深さ)も十分で、グラブレール(手すり)も絶妙な位置に配置されています。

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(サイドデッキ)

(アフトデッキ)

(グラブレール)

キャスティングなどスタンディングスタイルでの釣りをする際にも安全ですし、ゲストを招いたときなども安心であることは言うまでもありません。

そして、EX34の大きな特徴の一つがパワーユニット。
最新のコモンレール式の電子制御ディーゼルエンジン「ヤンマー6LY440J(440馬力)」が搭載されています。

(6LY440J:440馬力)

高出力で低燃費、クリーンさと静粛性を併せ持つ、こちらも次世代のディーゼルエンジンです。

(フライブリッジ キャビン)

走行中の騒音や振動も少なく、清潔感のある明るいキャビンやフライブリッジで、快適な走りを楽しむことができるはずです。

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個性あふれる30フッター EX30B


“フィッシングクルーザー”のコンセプトでくくられる次世代のEXシリーズでは、最小モデルにあたる「EX30B」。

2015年にデビューしたモデルですが、なんといっても目を引くのが、ワークボート風のスタイリングでしょう。
ヤンマーのプレジャーボートのラインナップにおいても、圧倒的な個性と存在感を放っています。

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(EX30B)

前傾したフロントウインドーからサイドウインドーまでが連なっている上、ハウス後部のスライドドアには全面ガラスを採用。
船内の採光性に優れ、ヘルムステーションからの視界も抜群です。

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(全面ガラス)

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(フロントウインドー)

これまでの常識を脱却したスタイリングを持つEX30Bですが、こちらも“フィッシングクルーザー”の一員。
それだけに、フィッシングにおけるユーザビリティーには、妥協を許さぬ徹底的な作り込みがあふれています。

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これまでの同サイズのEXシリーズと比べると、圧倒的に異なるのが船幅。
実に3.20メートルもの全幅が確保されているので、ボートのサイズ(全長)を超えた圧倒的な広さの船上空間が実現しました。

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(EX30B スペック)

コクピットにはセカンドステーションの設置も可能で(オプション)、さまざまなスタイルの釣りに対応できるモデルです。

船内にも目を向けてみましょう。
フォアキャビンにはV字形にバースが配置されており、中央にクッションをはめ込めば、広々としたフラットな空間に早変わりします。

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(フォアキャビン)

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(マリントイレ)

オプションのテーブルをセットすれば、サロン的なスペースとしての利用も可能でしょう。
脱フィッシングボートのコンセプトが、こんなところにも垣間見えています。

中央のパイロットハウスは、前方にドライバーズシート(右)とナビシート(左)、右舷側の後部に2人掛けのパッセンジャーシートという構成。

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(EX30B パイロットハウス)

シンプルながら清潔感に富んでおり、いかにも使い勝手がよさそうです。
家族や仲間と一緒にクルージングに出かけたり、マルチに楽しめる性格のボートであることが感じられます。

EX34と同様、このEX30Bにもヤンマーのコモンレール式の電子制御ディーゼルエンジン:

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(8LV350J:350馬力)

低燃費で環境にやさしく、パワフルで耐久性にも優れたエンジンは、乗っていて快適な走りを届けてくれるもの。
500リットルの大型燃料タンクを備えているので、長距離連続航行も可能となっています。

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ボートアングラーを満足させるだけでなく、もっと多くの人たちが、ボートフィッシングの魅力を感じ、そしてボーティングや海を楽しむ可能性を広げてくれる・・・・・・

次世代のEXシリーズ(=フィッシングクルーザー)が、限りない未来をユーザーに届けてくれるはずです。

いかがでしたか。
釣りの仕方や用途によって、ボート選びや楽しみ方が広がりますのでぜひご参考にしてくださいね。
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【協力】
筆名:三崎次郎(みさきじろう)

大学時代に外洋セーリングに出会い、海の世界へ。
30代を目前に控えたころより、マリン雑誌の編集業務に従事。
以来、国内外の海辺に足を運び、大小さまざまなボートに触れる毎日を送る。
海やボートの魅力を、たくさんの人たちに伝えている。
1972年、東京生まれ。
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